会長挨拶
第42回日本美容外科学会(JSAPS)総会
会長 岩波 正陽
新横浜形成クリニック 院長
このたび、2019年10月3日(木曜日)・4日(金曜日)の2日間、東京ディズニーランドそばにあります、東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾートにて、第42回日本美容外科学会総会(第136回学術集会)を開催させていただきます。近くには、東京ベイ舞浜ホテルがございますが、学会会場は「クラブリゾート」の方ですので、お間違いのないよう、ご注意ください。学会の前日には理事会、社員総会の他に、日本美容医療協会による市民公開講座も予定しております。
今回のテーマは、「Combination Approach 手技の選択肢を広げよう!」です。外科手技の他に、様々な治療手段を手に入れることは、美容外科医にとって大変重要な課題です。実はこのテーマを選ぶ背景もありました。2017年の一年間に施行された美容医療施術数を、当学会(JSAPS)を中心に、他の学会の協力も得て統計調査を行いました。その結果を見ますと、非手術の数が8割以上を超えております。治療現場において、患者満足度の底上げを考えた場合、統計の結果からも非手術療法の併用は必須であると実感した次第です。
多種多様な非手術療法がある中で、今回は、「日本におけるmesotherapyを考える」というパネルディスカッションを企画しました。欧州で盛んなmesotherapyという治療法は、今では再生医療分野も含め、皮膚への注射療法を包括する大きな概念となっています。一方で、市場で使われている材料の安全性に関する情報は極めて乏しいのが現状で、薬剤の成分配合の医学的検証や、注入技術などを医師の間で共有する仕組み作りが日本では急務と考えました。このパネルでは日本だけでなく、韓国も含め、この分野に精通している先生方をお呼びして症例を供覧し、会場の皆様方と一緒に理解を深めてまいりたいと思っております。加えまして、ドイツにおける最新の mesotherapy の治療法について、ドイツメソセラピー協会の会長である Britta Knoll 先生の招待講演を企画しました。Dr. Knoll には、パネルディスカッションでもオブザーバーとして参加してもらいます。なお、学会最終日の16時からは第3会場にて、第1回日本メソセラピー研究会を開催いたします。お時間のある方はお立ち寄りください。本学会参加者は無料です。
その他に、特別講演として、「日本人が抱く美しい顔とは。また、老いる美しさというものがあり得るのか」といったテーマで、日本顔学会の高野ルリ子さんにお話しをしていただく予定です。こちらも前述した2017年の統計調査で、海外では顔に対する治療が4割であるのに対し、日本では9割という結果が出ております。これは日本人の美に対する興味が圧倒的に顔に集中していることを示しており、高野さんのお話は大変興味のあるところです。
また、当学会は、韓国と台湾とでMOUを締結しており、日本を含めた3カ国によるAsian MOU Sessionを企画しました。アジア人の眼瞼と鼻の手術の供覧と討論は大変勉強になると思います。このセッションはすべて英語となります。
本学会(JSAPS)は、もともと日本形成外科学会専門医を取得している医師でなければ正会員になれませんでしたが、定款の改正により、日本形成外科学会の正会員であれば、どなたでもJSAPSの正会員として入会ができるようになりましたので、たくさんの会員の皆様のご参加をお待ち申し上げております。